ビッグテック最前線.com / 編集部

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2026年1月12日、テック業界に衝撃が走りました。長年ライバル関係にあったAppleとGoogleが、複数年にわたる戦略的パートナーシップを発表したのです。その核心は、Appleの次世代SiriがGoogleのGemini AIモデルを基盤として動くことになるという、業界を揺るがす大きな発表でした。

歴史的な提携の背景

このパートナーシップは、Appleが過去1〜2年間にわたって検討してきたAI戦略の集大成と言えます。AppleはOpenAIやAnthropicとの協力も検討していましたが、最終的にGoogleのGemini AIモデルを選択。共同声明では、「慎重な評価の結果、GoogleのAI技術がApple Foundation Modelsにとって最も有能な基盤を提供すると判断した」と明記されています。

この判断の背景には、GoogleのGeminiモデルが持つ1.2兆パラメータという圧倒的な規模と、クラウド技術におけるGoogleの優位性があります。現在Siriを動かしているAI技術から見ると、これは巨大な飛躍となるのです。

年間1,500億円規模の契約

2025年11月の報道によると、AppleはGoogleに対して年間約10億ドル(約1,500億円、1ドル=150円換算)を支払う契約に近づいているとされていました。この規模は、単なる技術ライセンス契約を大きく超える、戦略的な投資を示しています。

Wedbush Securitiesのアナリスト、Dan Ives氏は、この発表を「ウォールストリートが待ち望んでいたもの」と評価。Appleの「見えないAI戦略」に関する「部屋の象」の問題を解決する重要な一歩だと指摘しています。Ives氏は、この提携がAppleにとって2026年以降のAI戦略を加速させる足がかりになると分析しています。

プライバシーを維持しながらの技術統合

このパートナーシップで最も注目すべき点は、Appleがプライバシーとセキュリティの基準を維持しながら、Googleの技術を活用する仕組みです。共同声明では、Apple Intelligence機能はGoogleのサーバー上ではなく、AppleのPrivate Cloud Computeアーキテクチャ上、およびAppleデバイス上で直接実行され続けることが保証されています。

Morningstarのアナリストは、この合意によりAppleのセキュリティとプライバシーに関する評判が「損なわれることなく維持される」と評価。Appleは独自のデータセンター内の独自のサーバー上でGeminiインスタンスを使用するため、ユーザーデータのプライバシーが保護されるとしています。

2026年のリリースと将来展望

新しいSiriは2026年にリリースされる予定です。具体的には、OS 26.4のアップデートで2026年3月または4月に登場すると広く予想されています。しかし、このパートナーシップは単にSiriだけにとどまりません。共同声明では「将来のApple Intelligence機能」を強化する複数年の契約であることが明らかになっています。

Appleは2026年夏のWWDCで発表されるOS 27アップデートで、追加のAI機能を導入し、既存の機能を改善することが期待されています。Ives氏は、この動きがAppleにとって「世界最大の消費者インストールベースに新しいサブスクリプションベースの収益ストリームを提供する」機会になると指摘しています。

両社にとっての戦略的意義

このパートナーシップは、AppleとGoogleの両方にとって重要な意味を持っています。Googleにとっては、Geminiモデルが「プレミアムなファウンデーションモデル」として認められたという、大きな検証の瞬間となります。Appleにとっては、自社のハードウェアエコシステム内で独自のパーソナルアシスタントを提供しながら、最新のAI技術を活用できる戦略的な選択となります。

まとめ

AppleとGoogleのGemini提携は、単なる技術的な協力関係を超えた、業界全体に影響を与える戦略的なパートナーシップです。年間1,500億円規模の投資、1.2兆パラメータのGeminiモデルの活用、そしてプライバシーを維持しながらの技術統合は、次世代のAI体験を形作る重要な一歩となるでしょう。2026年にリリースされる新しいSiriと、その後のApple Intelligence機能の展開から、目が離せません。