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データ活用を阻む4つの現状課題
近年、データ活用推進に向けた企業の動きが注目を集めていますが、期待しているほどのスピード感でデータ活用を進めることができない組織も少なくないようです。
この記事では、企業の抱えるデータ活用を阻む4つの課題、そして、それら課題を乗り越えるための解決策・ソリューション、そして、データ活用の先に期待できる効果・利益についてまとめました。
データ活用を阻む4つの現状課題
- 各ツールのリテラシーの高い人材の不足
- データ活用人材の高い人件費
- データ活用の外部パートナー企業選定
- スムーズに進まない外部企業へのデータ活用業務の委託
各ツールのリテラシーの高い人材の不足
データ活用を阻む大きな壁となっているものの一つに、人材不足があります。
ベースとなるデータサイエンス力だけでなく、ビジネス課題をあぶり出し、その課題に対しての答えまでも導き出せるスキルを持った人材自体がなかなか少ないことに加え、少子化問題も絡み、人材育成についても課題を感じている企業も少なくありません。
経済産業省の調査によれば、日本のIT人材は2030年には59万人以上が不足することが予想され、今後も人材不足は深刻化しそうです。多くの企業では、この人材不足という共通課題に対して具体的な解決策が見つかっていないのが現状です。
データ活用人材の高い人件費
新しいツールを導入した際に、社内で対応できる人材がいないことは珍しいことではありません。すると、企業が取れる方法は、外注するか内部で人材育成を行うかの2択となります。どちらにせよ、企業にとってはコスト高くかかります。
データサイエンティストの給与はかなり高く、リモートワーク可能という好条件で月に100万円以上稼ぐケースも珍しくありません。外注するとなると、毎月それなりの人件費を覚悟する必要があります。
一方で、社内で人材育成を行った場合は、一人前になるのにそれなりの時間もかかりますので、時間と費用の両面から見ても大きなコストとなります。
データ活用の外部パートナー企業選定
データ活用を部分最適化で終わらせず、企業としての成長に役立てるため、外部のパートナーと提携し、数年かけて社内のDX化を進めるパターンも少なくありません。
実際、大手や外資企業などは、外部パートナーと提携することで社内を根本から変革し、DX化ひいてはデータ活用のためのベース作りまで行い、成功した例があります。
しかし、外部パートナーを選ぶのも一苦労。導入するツールについての知識だけではなく世界中での業界知識などを兼ね備えた理想のパートナーを見つけるには、時間をかけたすり合わせも必要です。また、選定基準に明確なものがないこともパートナー企業の選定に時間がかかる理由です。
スムーズに進まない外部企業へのデータ活用業務の委託
外部パートナーが決まった後も、委託がスムーズに進まないというケースもあります。
企業にとって命とも言えるデータの取り扱いは、トップクラスの機密事項です。外部に情報を公開・共有する場合は、社内の承認が降りづらい場合もあり、結果として十分に外部パートナーの活用ができない・機能しないケースも多く見られます。
外部パートナーに委託する前に、社内でどのような情報であれば共有できるのかなどの精査を行う必要があるでしょう。
課題解決を導くソリューション
あらゆる手段を講じ、データを扱えるリソースを配置する
課題解決のためには、とにかくデータを正しく扱えるリソースを確保することが第一優先です。業界やデータの種類、組織の既存の人員構成によって、最適なリソースの組み合わせは異なります。それぞれの企業がどの方法が一番自社にあっているのか判断することが大切です。
リソース確保に向けた3つのオプション
- 社内人材の育成
- 国内外で経験値のある人材へ外部委託する
- 外部委託を行いつつ、同時に社内人材を育成する
要件整理人材の確保と作業環境の整備
データ活用を目的とした組織のDX化を図る場合、金銭的なコストだけではなく、社内全体の情報管理、社内での情報共有のやり方など、既存の環境設備の変更も強いられることが多いため、成功までの時間のコストも大きくなります。
外部のリソースを使うにしても、会社の業務形態や業界によってどのやり方が良いのかが変わってくるため、選定基準も曖昧です。
実際に動き始めてから「こんなはずではなかった」とならないような、2つのステップが大切です。
- データ活用のための外部パートナー・管理ツールの選定基準を作るのに必要なナレッジをもつコンサルティング企業を見つけ、組織で独自の選定基準を作る。
- 選定基準に沿って、外部パートナーやデータ管理ツールを選び、データを扱える人やデータを取り扱えるPC・サーバー環境を整備する。
属人化している社内のデータ管理を標準化・仕組み化する
企業でよくありがちなのが、社内のデータ構造を理解している人が限られており、加えてデータ管理の工数が多すぎるため、組織化がなかなか進まないだけではなく、外部パートナーとの連携にも悪影響が出てしまうケースです。
外部パートナーと協力してDX化を行う場合は、スムーズな情報のやり取りが不可欠です。データ構造を理解している人が偏らず、データに関する意思決定やコミュニケーションが円滑に行われるための仕組みを構築しておくことをおすすめします。
データ活用がもたらす効果・利益
データ活用を行うことにより、ワークフローが可視化されるため、どこを人間が担うべきかの判断が可能となります。
データ活用がもたらす効果・利益
- レポート作成工数や集計ミスの削減
- 月次のレポート作成件数の拡大
- データ更新のリアルタイム連携による素早い経営判断
特定の社員のPCに属人化していた月次のレポーティング業務が仕組み化され、レポート作成工数や集計ミスの削減を実現できたり、一つずつ手動で作成していたレポートを一括で出力できるようになったため、月次のレポート作成件数を増やすことができたりといったケースが報告されています。
他にも、データ更新がリアルタイムで行われることにより、経営陣に対しフレッシュな情報を提供できるため、課題に対しての経営判断のスピードが速くなるという点も無視できない利益です。
データ管理に対する社内外の「要件整理人材」確保が先決
新しいツールの導入だけで終わってしまうと、社内の一部のデータ管理が便利になった、というだけの結論で終わってしまいます。
データ活用でのポイントは、収集後のアクション・改善へのビジョンを描くリーダーシップです。
データからの気づきをどの様にアクションにつなげていくべきかという方針を打ち出す、社内人材の確保・育成、または社外人材の登用を長期的な視点で行えるかどうかが、プロジェクトの成否を分けます。ただ、これらプロジェクトビジョンの具体化に向けたロードマップの策定を行える人材が社内に揃っていないケースも少なくありません。
プロジェクトの目的を果たすための技術的な視点・データ管理業務の視点、ビジュアライズ作成の視点、この3点からデータ管理プロジェクトの全体像を描くためにも、外部のコンサルタントの活用は一つの手立てになるかもしれません。
「データ活用」で Submarine がサポートできる3つのポイント
Submarine では、ビジネスに合ったツール要件の整理、導入後のデータ共有を実現するダッシュボードの作成において、ご支援が可能です。
- 社内でDX化を進めなくてはいけないのは理解しているが、ビジネス要件にあった適切なツールが何かわからない
- またツールは導入済みだが人材確保ができていない
- 社内でデータ共有に必要なダッシュボード作成ツールが未導入
などの場合は、Submarine までご相談ください。
この記事を書いた人
マーケとデータ.com / 編集部
Submarine LLC
Editor Team
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