既存のマーケティング戦略からデジタル化に踏み切れない。

自社にもデジタルマーケティングって本当に必要?

どうやってデジタルマーケティングを取り入れればいいかわからない…。

DXやデジタル化の波は、マーケティング戦略にも変革をもたらしています。しかし、まだまだ戦略設計のあり方について迷っている企業も多くあるはずです。本記事では、初めてデジタルマーケティング導入を検討している方に向けて、メリットや具体例を提供します。

  • デジタルマーケティングが必要とされる背景
  • BtoBがデジタルマーケティングを導入するメリット
  • BtoBデジタルマーケティングの具体例
  • デジタルマーケティングのKPI設計例
  • BtoBデジタルマーケティングの事例

デジタルマーケティングの基礎を学び、戦略を成功へと導くための参考としてください。

 

BtoBマーケのいろは.com / 編集部

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この記事の目次

BtoBデジタルマーケティングが必要とされる背景

インターネットやデジタル技術を駆使する、デジタルマーケティング。今日、多くの企業がデジタルチャネルを通じて集客し、リード獲得・リード育成につなげる取り組みを行っています。

いっぽう、まだまだ本格的なデジタル化に踏み切れていない企業が多いのも事実です。そこで、BtoB(企業間取引)ビジネスにおいてデジタルマーケティングの導入が進んでいる背景について、BtoCマーケティングとの違いやトレンドの変化を通じて解説します。

背景1: インターネットの普及によるリードとの接点変化

インターネットが普及する以前、BtoBマーケティング戦略はテレアポや飛び込み営業、展示会、セミナーといった、対面によるオフライン活動が中心でした。しかし現在ではインターネットがインフラとして広く普及し、顧客自身もオンラインでの情報収集や比較検討を積極的に行うなど、購買行動そのものが大きく変化しています。

いわば、「商談にたどり着く前に勝負がついている」という状態なのです。

そこで企業側も、Webサイトの整備やリスティング広告出稿、メールマガジンの活用など、デジタルの接点の強化が必須となりました。さまざまなチャネルで顧客と接点を持ち、有益な情報を提供することで、商談獲得を促したり受注確度を高めたりする取り組みが求められるようになったということです。

オンラインとオフラインのメリット・デメリットを理解し、顧客の背景や状態に合わせて使い分けたり組み合わせたりすることで、より一層大きな成果につなげることが期待できます。

背景2: BtoBとBtoCのアプローチの違い

BtoBとBtoCでは、マーケティング戦略のアプローチの方法が大きく異なります。

BtoCマーケティングは、一般の消費者を対象とした広告やプロモーション活動が中心です。一方BtoBマーケティングでは、具体的な解決策や専門的な情報発信を通じて、特定のターゲットとの関係構築を行います。

また、BtoBでは決裁に至るまでの関係者が複数存在し、購買プロセス自体が長期間にわたりやすいといった特徴もあります。顧客のペルソナやフェーズごとに施策を分け、中長期にわたって取り組む傾向にあります。

複雑なプロセスを着実かつ効率的に進めるためにも、マーケティングのデジタル化は必須です。

  BtoB BtoC
ターゲット顧客 法人(企業・団体・事業者) 個人(一般消費者)
意思決定者 購入者と異なる場合がある
(組織内で複数人の許可が必要)
購入者と同じ
(取引を行う個人)
判断基準 費用対効果を重視(合理的) 個人の趣向を重視(感情的)
取引・検討期間・購入サイクル 長い(稟議プロセスが複雑、数カ月~1年) 短い(即決~数日)
単価 比較的高額 比較的少額

背景3: さらなるデジタル化を後押しした時代のトレンド

新型コロナウイルスの影響は、BtoBマーケティングにも大きな変革をもたらしました。対面での商談やセミナーが難しくなり、オンラインでの情報発信や営業活動が一層重要となりました。ウェビナーやSNS、ホワイトペーパーなどのデジタルコンテンツのようなオンライン戦略の重要性が増し、多くの企業がデジタルマーケティングの施策を強化しています。

また、デジタル化により大量のデータ収集や分析が可能になったことから、データドリブンな戦略立案が求められるようになっていることも、デジタルマーケティングを後押ししています。

担当者の勘や経験に頼るのではなく、データに基づくKGI・KPI設計や効果測定を行い、より精度の高いマーケティング・プロセスを目指す取り組みが行われています。

総じて、BtoBデジタルマーケティングは、時代の変化や新しい技術を取り入れながら、企業間のビジネスを効果的に推進する重要な手法となっているのです。

BtoBデジタルマーケティングを導入する5つのメリット

デジタルマーケティングのメリットを理解し最大限活用することで、ビジネスの拡大と成功に繋げることができるでしょう。ここでは、BtoB企業がデジタルマーケティング導入で得られる5つのメリットについて解説します。

1. 多種多様なデータを大量に収集・分析が可能

従来では名刺交換など直接的にやり取りしなければ収集が難しかったターゲット企業や担当者の情報も、デジタルマーケティングでは容易に収集できます。

リードのWebサイト訪問やダウンロードコンテンツの取得、メールマガジンの開封など、具体的なアクションもデジタル・データとして可視化されるため、追跡が可能になりました。

また、MA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客関係管理)などのツールを導入すれば、収集したデータの解析や顧客情報を効率的に管理できます。

2. 収集データに基づき施策の計画・成果判断が可能

クリック率やメールマガジン開封率などデジタルマーケティングで収集できるさまざまなデータは、顧客の関心事や行動パターンを理解し、効果的なマーケティング戦略を策定するための貴重な情報源となります。データ分析すれば、どのマーケティング活動が効果的であったか、または効果が見込めなかったかを客観的に評価できます。

また、リード数、Webサイトのトラフィック、コンバージョン率など具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定し、施策の評価を定量的に行うことも可能です。デジタルマーケティングは、ROI(投資収益率)最大化に大きく貢献します。

3. 顧客に合わせた最適なアプローチができる

先述のとおり、BtoBはBtoCに比べて意思決定プロセスが複雑な傾向にあるため、潜在顧客のニーズや行動を正確に理解し、適切なタイミングで適切な施策を打つことが極めて重要です。

顧客の購買行動を深く理解し、顧客のフェーズに合わせてパーソナライズされたアプローチを計画できるのもBtoBデジタルマーケティングのメリットといえるでしょう。

たとえば、興味は示しているもののまだ購買意欲の低いリードに対しては、製品紹介ではなくお役立ちコンテンツを提供したり、リターゲティング(一度サイトを訪問したリードに対し、再度広告を配信する手法)を用いたりすることで、商談へと導くプロセスを実践できます。

接点・チャネルの多様化

顧客が好むチャネルで情報を提供し、エンゲージメントを促進できるようになったことも、大きなメリットのひとつです。

従来、潜在顧客の掘り起こしといえば、展示会参加や直接訪問、テレアポなど、限られた手段しかありませんでした。しかし、デジタルマーケティングの台頭により、Webサイト、オウンドメディア、SNS、メール、ウェビナー、オンライン広告など、多様なチャネルを通じて顧客との接点を持つことが可能になりました。

複数チャネルの活用は、リード獲得だけでなく、リードナーチャリングにも有効です。顧客が関心を持つトピックに関するメールマガジンを送信したり、ウェビナーやオンラインセミナーを開催したりすることで、顧客との接触機会を増やし、信頼関係を深めることができます。

ターゲットペルソナが複数あるBtoBにおいて、顧客のニーズや興味に合わせて効果的なチャネルを選択できるのは強みと言えるでしょう。

コスト削減・プロセスの合理化への期待

コスト削減、プロセスの合理化も大きなメリットです。

マーケターや営業担当者が直接出向かずとも、Webサイトやデジタルコンテンツが効率的にリード創出してくれます。複数の顧客に対して同時進行でアプローチできるのは、デジタルの強みです。

また、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどを導入すると、手動による営業活動や情報収集の手間を大幅に削減可能に。コスト削減の側面からも、ROI最大化への貢献が期待できます。

BtoBデジタルマーケティングプロセスの具体例

BtoBデジタルマーケティングの主な例として、顧客獲得から営業活動、商談までの各段階について順を追ってみていきましょう。

リード獲得(Lead Generation: リードジェネレーション)

リード獲得(リードジェネレーション)は、見込み客を獲得するプロセスです。まだ自社サービスを知らない潜在層へ認知を図る目的と、すでに顕在化した顧客へリーチする目的の両方があります。ターゲット層のフェーズと目的に合わせて手法を選択します。

目的 デジタル施策例
潜在顧客への認知獲得 ・SNSの活用
・リスティング広告
・コンテンツによる情報発信(記事・動画・ホワイトペーパー)
・オウンドメディア
・SEO(検索エンジン最適化)による自然検索流入獲得
顕在顧客へのリーチ ・リターゲティング広告
・オウンドメディア
・メールマガジン
・ウェビナー

獲得したリード顧客の情報は、CRM(顧客関係管理システム)へ登録することで、一元管理できます。

リード育成(Lead Nurturing: リードナーチャリング)

続いて、獲得したリードを商談に進めるためのフェーズです。ナーチャリングとは「育成」のことで、ニーズに合わせた情報提供など的確なアプローチを継続し、見込み顧客の購買意欲を促進するプロセスを指します。

目的 デジタル施策例
関係構築・購買意欲の促進 ・コンテンツによる情報発信(記事・動画・ホワイトペーパー)
・オウンドメディア
・メールマガジン
・ウェビナー

購買までのカスタマージャーニーを理解し、適切なタイミングで、リードの興味関心や課題に関係する有益な情報提供を行います。

ここで役立つのが、マーケティングオートメーション(MA)ツールです。あらかじめシナリオを設定しておくことで、リードの属性や行動に基づいて自動的に適切なメールやコンテンツを配信できます。また、開封率やクリック率などのデータも収集できるため、どのコンテンツが特に成果をあげているか分析することも可能です。

リード選別(Lead Qualification: リードクオリフィケーション)

すべてのリードが商談に至るわけではありません。効果的な営業活動を行うためには、リードの選別も重要なフェーズです。リードの活動や関心度をスコアリング(点数化)し、商談に繋がる可能性の高いホットなリードを営業部門へ引き渡します。

スコアリング機能があるMAツールを導入していれば、効率的に選別することが可能です。

営業活動・商談

選別された受注確度の高いリードに対し、具体的な商談活動を開始します。最もオフラインに近いと思われるこのプロセスもデジタル化の恩恵を受けており、例えばSFA(Sales Force Automation : 営業支援システム)を活用してセールス活動の内容をデータ化することにより、管理や分析を容易に行うことができます。

目的 デジタル施策例
営業活動・商談 ・メールでの提案・コンタクト
・オンラインでの商談
・資料をクラウド上に保管し、外出先でも提示できるようにする
・コンテンツを活用したフォローアップ
改善・フィードバック ・営業活動内容をSFAへ登録
・データ連携によるマーケティング部門へのフィードバック
・営業活動を通じて収集したデータの分析

対面訪問やテレアポなどのオフライン活動も変わらず有効な手段ではあるものの、必要に応じ活動の一部をデジタル化・オンライン化することで、さらなる成果の獲得や効率化が期待できます。

BtoBデジタルマーケティングの具体的な手法

以下に、BtoBデジタルマーケティングで用いられる具体的な手法・施策や、その役割についてご紹介します。各手法の特性を理解し、適切な戦略と施策を組み合わせることで、成果の最大化を実現することができるでしょう。

SEO対策

SEOとはSearch Engine Optimizationの略で、日本語で「検索エンジン最適化」と言います。Googleなどの検索エンジンにおいて、狙ったキーワードで上位表示させるため、Webサイトの構造や内容を最適化する手法です。

BtoB市場では、ターゲット顧客へリーチする手段として検索エンジンは有効な手段です。顧客が検索したキーワードで自社サイトが上位表示されていれば、流入が期待できます。そこから資料請求や問い合わせにつながれば、リード獲得につながります。

自ら検索して情報収集を行っているということは、ある程度ニーズが顕在化されたリードである可能性が高いとも言えます。広告経由よりも自然検索経由の流入のほうが、よりホットなリードであると考えられるでしょう。

逆に、潜在顧客へリーチするためには、キーワード選定がカギです。「◯◯ サービス」や「◯◯ メーカー」のような明確なキーワードではなく、「◯◯する方法」「◯◯ 事例」など、顧客が抱えている課題に関連したキーワードを選定すると効果的です。そこで有益な情報提供を行えば、自社製品やサービスの認知につながります。

デジタルコンテンツの活用

BtoB市場において、デジタルコンテンツはリード獲得やリードナーチャリングの重要な手段です。デジタルコンテンツには、オウンドメディアやホワイトペーパーなどがあります。

オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社が所有(Owned)し、管理運営するメディアのことです。コーポレートサイト、ブログ、自社配信番組などが含まれます。逆に、TVCMや記事広告など、管理や掲載を他メディアに依存するものは該当しません。

ブランディング顧客とのコミュニケーション・信頼獲得の場として活用できるほか、資料ダウンロードやウェビナーへの登録を促せばリード獲得につながります。コンテンツ制作コストはかかるものの、一度公開したコンテンツはリード獲得・リード育成に貢献し続けるため、中長期で見ると費用対効果が高い施策と言えます。

SEO対策やSNSマーケティングと組み合わせることで、幅広い層へのリーチ・多様なチャネルからの流入が期待できるでしょう。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーは、専門知識を共有する資料として効果的です。顧客の課題を解決する有益な情報提供を行えば、信頼獲得につながります。また、ダウンロード時に顧客情報の入力を求めることで、そのトピックに関心を持つリードの情報を獲得することができます。

もちろん、リードナーチャリングにおいてもホワイトペーパーは有用です。情報提供を通じ見込み客のハードルを解消すれば、商談や購買行動につながることが期待されます。

SNS運用

X(Twitter)、Instagram、Facebook、LinkedInなどのSNSは、情報発信やリード獲得において重要なチャネルです。ターゲットに合わせて適切なプラットフォームを選定し、新製品の発表、セミナー情報、業界のトピックなど、ターゲットが関心を持ちそうな情報を積極的に発信しましょう。関連するコミュニティやハッシュタグからターゲットへリーチするのも有効です。

面白い投稿やアカウント運用者(いわゆる『中の人』)が話題になりがちですが、BtoBにおいては「バズ」はリスクにもなり得ることを理解しておく必要があります。拡散を狙うことで炎上につながったり、企業としての信頼を損ねたりする危険性も伴います。

インプレッション数や拡散数よりも、自社ターゲットにリーチできているかを意識しましょう。

Web広告(リスティング広告・ディスプレイ広告・SNS広告)

Web広告の出稿は、ターゲットの認知度を上げ、集客を行う手段として効果を発揮します。主に以下のような種類が挙げられます。

種類 解説
リスティング広告 検索エンジンの検索結果ページに表示される広告。特定の検索キーワードに合わせて出稿するため、ターゲット指向性が高い。
ディスプレイ広告 Webサイトやアプリ上に表示される視覚的な広告。バナー広告、動画広告など。
ターゲットユーザーの属性や興味・関心に基づいて配信されることが多いため、認知度向上に効果的。
SNS広告 SNS上に表示される広告。製品だけでなく、ウェビナーなどの宣伝もリード獲得には有効。
検索エンジン以外の経路で広くリーチできる。
リターゲティング広告 一度サイトを訪問したことがあるユーザーへ、再度広告を表示させる手法。タイミングをずらして再度訴求したり、前回とは少し角度を変えた広告を表示させたりすることで、CVを促す。

メールマーケティング(メールマガジン)

メールマーケティングは、内容やタイミングをリードに合わせて最適化することで大きな効果が期待できる手法です。

顧客情報や過去の行動データを基にターゲットをセグメント化=細分化し、興味やニーズに合わせてパーソナライズされたコンテンツを提供します。

ウェビナーのあとにフォローアップコンテンツを配信したり、展示会やイベントで名刺交換したあとにイベントと関連する情報を配信するなど、他の施策と組み合わせて活用しましょう。

マーケティングオートメーション(MA)

マーケティングオートメーション(MA)は、マーケティングを効率的に行うためのツールです。具体的には以下のような機能があります。

   
リードスコアリング リードの行動やデータをもとに、購買意欲の高さや商談の可能性を数値化する。
メールマーケティング ・リードの行動をトリガーに、自動的にメールやクーポンを配布するシナリオを設定できる。
・作成したメールを、特定の属性などターゲットしたリードのみに配信できる。
分析と最適化 メールの開封率や配信したコンテンツのクリック率を分析し、施策の改善に活かすことができる。

リードのアクションを把握したり、カスタマージャーニーやペルソナに合わせて適切に施策をパーソナライズしたりするのは、人力では困難です。MAツールの活用は、デジタルマーケティングの大きな恩恵のひとつと言えるでしょう。

BtoBデジタルマーケティングのKPI設定方法

BtoBデジタルマーケティングを成功に導くためには、適切なKPI設定が不可欠です。目標を明確にし、戦略の成果を定期的に評価しましょう。

KPIを設定する流れをご紹介します。

目的・目標の明確化

まずは目的と目標を明確にしましょう。これらが言語化できていないと、戦略判断の誤りや、達成率の低下につながりかねません。

  解説 具体例
目的 どのような課題を解決するためにマーケティング戦略を立てるのか ・認知度向上
・商談機会の創出
目標 目的の課題解決のために、達成・到達すべき具体的なゴール ・認知度向上→6ヶ月後にWebサイト訪問数が倍増している
・商談機会の創出→1年後、獲得リードのうち50%が質の高いリードになっている

注意点として、「デジタルマーケティングの導入」そのものが目的にならないようにしましょう。あくまでも、今あるビジネス課題・マーケティング課題解決のためにデジタル化を取り入れるという姿勢が必要です。

KPIの具体例

KPIとは「重要業績評価指標」のことで、目標までの達成度合いを示すものです。最終目標から逆算して、これが達成できれば目標が達成できると考えられる指標を設定します。前項で挙げた目的・目標を例にすると、以下のようなものがKPIとして挙げられます。

目的・目標 施策例 KPI例
認知度向上:6ヶ月後にサイト訪問数を倍増 ・SEO対策
・SNSキャンペーンの強化
・サイトの月間訪問数
・ターゲット検索市場での順位
・SNSフォロワー数
・エンゲージメント率
商談機会創出:1年後に50%を質の高いリードにする ・ターゲットに特化したコンテンツマーケティング
・ウェビナーの開催
・コンテンツからのリード獲得率
・コンテンツ閲覧者の商談化率
・ウェビナーの参加者数
・ウェビナー参加者の商談化率

KPI設計については、以下の記事も併せてお読みください。
>> 【BtoB】KPI設計の4ステップと成功ポイント6選 | 施策別の設定例付き

デジタルマーケティングのカスタマージャーニーマップ

BtoBデジタルマーケティングの成功には、顧客が経るさまざまなステージを把握して最適化することが重要です。ここでは顧客理解に役立つカスタマージャーニーマップの作成方法についてご説明します。

ペルソナを設定する

まず始めに、ターゲットとなる顧客のペルソナを設定します。ペルソナ設定では以下のような要素を考えましょう。

  • 背景や職種・役職
  • 企業や業界の特性
  • 価値観や興味関心
  • 課題やニーズ

自社にとって都合のいいペルソナを設定すると、実際の顧客像とかけ離れてしまいかねません。実像に近いペルソナを具体的に設定することで、顧客が感じるであろうニーズや課題を把握しやすくなります。

ゴールを設定する

次に、このカスタマージャーニーマップのゴールを設定します。お問い合わせがゴールなのか、購入がゴールなのか、既存顧客のリピートがゴールなのかによって、描くマップの枠組みや時間軸が変わります。明確なゴールを設定し、方向性を確立しましょう。

顧客のフェーズを書き出す

顧客が経るフェーズを整理し、それぞれのステージでどのようなアプローチが効果的かを考えます。

認知フェーズ

このフェーズでは、顧客が初めてあなたのブランドや商品に触れる時期となります。以下のアプローチが効果的です。

  • SEOやコンテンツマーケティングで情報提供
  • SNSやブログを利用したブランディング

情報収集フェーズ

このフェーズでは、顧客が具体的な情報を探し始める段階です。以下のような施策が展開されます。

  • ウェブサイトでの詳細な商品情報や事例の提供
  • ウェビナーやセミナーの実施

比較検討フェーズ

このフェーズでは、顧客が複数の選択肢を検討し始めます。

  • 競合他社との比較表の提供
  • カスタマーレビューやテストモニアルの提示

購入フェーズ

このフェーズでは、顧客が購入の決断を下す段階です。

  • オンラインデモや無料トライアルの提供
  • 顧客との直接対話や質問応答

ユーザーの状態をフェーズごとに整理する

各フェーズでユーザーが経験する接点、行動、思考・感情を整理します。

項目 説明 具体例
接点(タッチポイント) 顧客がブランドや製品に触れるさまざまな場面やチャネル ・Webサイト
・SNS
・イベントやセミナー
行動 顧客が各接点で示す具体的な動き ・ページの閲覧
・ダウンロード
・問い合わせ
思考・感情 顧客が各フェーズや接点で経験する可能性のある心理状態や感情 ・期待感
・知的関心
・迷いや不安

これらの情報をマッピングすることで、顧客の心理や行動パターンを明らかにし、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。

BtoBデジタルマーケティングにおけるカスタマージャーニーマップの例

上記の説明を踏まえて、ここではBtoBデジタルマーケティングにおけるカスタマージャーニーマップの簡単な事例を見てみましょう。

  • ペルソナ:中小企業のITマネージャー
  • ゴール:新しいセキュリティソフトウェアの導入
  • 顧客のフェーズと行動
    認知フェーズ:SNS広告からウェブサイトへの訪問
    情報収集フェーズ:ブログ記事の閲覧・ホワイトペーパーのダウンロード
    比較検討フェーズ:ウェビナーの参加・機能比較表の入手・社内稟議
    購入フェーズ:製品デモのリクエストや購入への進行

実際にはいずれの項目もより詳しい内容を設定する必要がありますが、以上の手順を踏むことで、効果的なBtoBデジタルマーケティング戦略を立てることができます。

事例紹介

BtoBデジタルマーケティングの成功事例をご紹介します。

株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワードは、個人・企業向けに金融系ウェブサービスを開発・提供を行っている企業です。

同社は、マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入し、データ管理の一元化・入力項目の統一などを徹底しました。その際、「情報共有の自動化・一本化」を目指し徹底的にルールを作成。その結果パートナー企業との情報共有が強化され、パートナー企業からの紹介件数が10倍に増加しました。

アドビ株式会社

アドビ株式会社はアメリカ合衆国に本社を置くソフトウェア開発企業です。

同社はSEO対策によって大きな成果を上げました。最初の3か月間はサイト分析と競合分析を徹底し、業種別などのコンテンツを細分化して制作。SEOキーワードを強化し自然流入の増加を目指し、上位に検索されるように工夫しました。その結果、リード獲得数が150%アップ、SEO経由の商談件数は約130%向上させることに成功しました。

【その他の成功事例はこちら】

>> BtoBデジタルマーケティング事例6選!(ソースあり) 成功ポイントと実践方法を解説
情報ソースへのリンク付きで、より詳しく解説しています。

【まとめ】BtoBデジタルマーケティングを成功させるために

BtoBデジタルマーケティングの成功には、顧客との接点を最適化し、適切なKPIを設定・分析することが重要です。

BtoBマーケットはBtoCマーケットとは異なり、独自のニーズや課題が存在するため、ターゲットの深い理解が求められます。

マーケティングオートメーションの導入やデータ分析を活用し、戦略を継続的に見直ししながら施策の効果を定期的に評価・最適化しましょう。

マーケティング部門と営業部門で連携を強化し、一貫した顧客体験を提供してください。

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